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読んだ本の記録、感想、時々妄想
実は本なんか読まなくても全然平気で生きていけます
陰陽師 酔月ノ巻
平安の都の、四季と怪異。
いつも通り安定した面白さ。この物語、もう25年も続いているんですね。
とはいえ今回は蘆屋道満絡みのお話が多かったのが特徴かな。清明と博雅が一切登場しない短編もあったので、なんとなく二人のいちゃいちゃ成分が不足している感も…。
個人的には「めなし」でまた例によって博雅が清明に面と向かって「お前と一緒なら歳を取るというのも悪くないな」みたいな恥ずかしいことを平然と言って清明が照れて「お前照れてるだろ〜」「いやいや照れてないから」とかやっていたところが今回のハイライトですね!これが大の男のやりとりか!…うん、充分いちゃいちゃしていた。
しかし清明の元に相談に来る人がみんな、「博雅様さえよろしかったら、ぜひとも、おふたりで」ってすでに清明と博雅をセットで考えているところに思わず笑ってしまった。
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営繕かるかや怪異譚

家に問題があると応えます。家は本来、自分を守って包み込んでくれる場所ですから


何度閉めてもいつの間にか開いている奥座敷の襖、武家屋敷の屋根裏を歩き回る何者か、雨の日に鈴の音とともに袋小路に現れる和服の女…。
古い城下町を舞台に、家にまつわる怪異を営繕屋・尾端が解決に導いていく連作短編集。

例えば悪霊シリーズ(ゴーストハントシリーズ)が「原因を突き止めて取り除く」っていうスタイルだったのに対して、こちらは「原因や由来ははっきりしないけど、まあ上手いこと共生していこう」みたいなスタイルで、後者の方がより日本的なやり方なのかも。
怪現象の解決に取り組む人間も、かたや西洋(米英)の研究者と霊能力集団、かたや日本の営繕屋というあたりも、そういうスタイルの違いの表れと言えるかも。
お祓いだとか除霊浄霊だとかの派手な特殊能力とはまた違って、淀みや滞りに少し手を添えて本来あるべき流れに戻してやる、まさに日本の職人技という感じに惚れ惚れ。
怖くて、そしてどことなく悲しみが漂っているけど、前を向いて生きていこうという人間の営みが描かれていてどの短編も読後感はわりと明るい。

それにしてもこの内容で挿画が『蟲師』の漆原友紀って人選が素晴らしいわ〜。



でも、読んでいて、ちょうど一年前に京極夏彦の『書楼弔堂』を読んだときと同じ気持ちを抱いたのも否定できない。
それは「素晴らしい連作短編集!…でも、贅沢を言えば、先生のがっつりした長編新作も読みたいです…」っていう(笑)。



本書の中に「潮満ちの井戸」という井戸にまつわる短編があって、それを読んでいて思い出した余談。
というのも、うちの庭にも井戸があるのだ。まあ貞子さんが這い出てくるような古めかしい雰囲気の井戸ではなくて、コンクリの蓋が被せてある今時の(?)井戸なんだけど、でもたぶん井戸自体はだいぶ昔からあるものだと思うんだよね。
それがちょうど母屋とガレージのあいだにあるので、自分はガレージに行くときは井戸をまたぐ形で最短ルートを歩いていたんだけど、ちょっと前にそれを親に見られて「井戸をまたぐなんてとんでもない!」と言われてしまった。
うちは両親も自分もそんなに信心深いほうではないし、生まれてこのかた30年近く井戸をまたいでいて特に障りもなかったので別に平気じゃないかな〜とは思いつつ、一度そう言われてしまうと気になって、以降は井戸を迂回するようになった…という話。
まあ言われてみれば井戸って神様がいるっていうし、潰すときはお祓いとかするって言うしね、今は形骸化した迷信かもしれないけど、井戸を大事にするっていうのはそれなりに生活の知恵に根ざした根拠があったんだろうなあ…などと思いを馳せつつ井戸を迂回するのだった。
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うちの執事が言うことには 3
新米主人と新米執事が繰り広げる、上流階級ミステリー第3巻。

※ネタバレです※
赤目さん思ったよりあっさり陥落した(笑)。
いやまあ、赤目が不遇な扱いを受けてたのってどう考えても花穎のせいじゃなくてお前んちの家族がおかしいよって話だし、花穎に対する憎しみも復讐というよりは粘着質な八つ当たりでしかなくて、結局赤目自身もその自覚はあったってことなんだろうなあ…。
このシリーズ、基本的にいわゆる「やさしい世界」のお話なので、落としどころとしてはこのくらいがちょうど良かったと思います。
ラスト、花穎と衣更月が花穎父と鳳とはまた違った形できちんと主従になってほっこり。

しかし、読んでいてなんとなく、反発しあう花穎と衣更月の瑞々しい感性よりむしろ、仕事切られて逆恨みしちゃう櫓井さんの悲哀とか、同じ職場で働いていて衝突したり連帯感を抱いたりという鳳さんと岩垣さんの関係とかの方に妙に共感してしまうのは、年のせいだろうか…(笑)。



1巻から仕込んであった伏線も消化したし、帯にも「クライマックス!!」と書いてあるし、このシリーズはこれで完結?でも完結とも明記してないんだよなあ…と思って作者さんのサイトをチェックしにいったら、ツイッターに「続編を書かせて頂けることになりました」とあった。
やっとキャラにも愛着が湧いてきたところだったので続編決まって良かった!
 
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肌色のポートレート

私も、身近な人を失う年代になったのだ


毎年1冊発行されるたびに、主人公たちも1歳ずつ年を重ねていくシリーズ。杉原爽香41歳の秋。
(※この記事はあまりネタバレに配慮していません)

充夫の妻・則子、肝臓がんのため死去。
爽香さんのお父さんが亡くなったときもショックだったけど、則子もシリーズ当初の、充夫と新婚のころから知っているだけに、これまでのあれこれとか若くして亡くなってしまったのとか、なかなかショックだ…。
そして何より、爽香さんと同じく年月の経過を実感せざるを得ない。

そして今年は殺し屋の中川さんの出番がなくてしょんぼり(´・ω・`)  ヤクザ絡みの事件なら張り切って登場してもよさそうなものなのにー。代わりに消息屋の松下さん大活躍。
まあ中川さんもここ数年立て続けに登場して、「お前をストーキングしていられるほど暇じゃない」っていう台詞にだいぶ説得力がなくなってきてましたからね…きっと今年はめずらしく本業のお仕事をしていたのです。肩書きが「爽香に好意を寄せる自称殺し屋」じゃあまりにも痛すぎますからね、「殺し屋」の実績作りも必要ですよね…。

以下、来年用に備忘録。
・爽香は規模の大きい都市開発プロジェクトに携わっている
・明男と栄子の仲は進展はしていないものの、きっぱり縁を切れてもいない模様。
・リン山崎と舞のあいだには無事子供が産まれ、だいぶ落ち着いている
・河村さんは胃がんの治療中。手術は成功。
・甥っ子の涼はもう大学生で、写真部に彼女が。
・前作ゲストキャラの有本哲也と縁には子供も産まれて上手くいっている模様。単発ゲストのその後が描かれるのはめずらしいけど、数少ないめでたいニュースだw
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うちの執事が言うことには 2
新米主人と新米執事が繰り広げる、上流階級ミステリー第2巻。

1巻の発売が3月で、この2巻が7月、そして3巻が11月発売予定?
ラノベ的な刊行ペースに戸惑いを隠せない…。
シリーズものが滞りなく発刊されるのって本来歓迎すべきことだし作者様ありがとうと感謝するところだけど、年1発刊の『キノの旅』すら積読にしがちな自分は、どこまでこのペースについていけるか戦々恐々としているw

今回は、借金の踏み倒しに発砲騒ぎ、衣更月と鳳の出会い、そして絵画盗難事件の4編。
最後の事件の犯人、精神操作系でなかなかキャラ立ってたな…と思っていたら、最後の最後で赤目に全部持って行かれた…!
赤目って花穎のことを暇つぶしのおもちゃとしてそれなりに可愛がってるという認識だったし、今回のラストも「あいつをいじめていいのは俺だけだ!」みたいなツンデレの文脈として読めなくもないけど、特典のSS読むとむしろガチで潰しにかかってます…?まさに認識誤差があります…?っていう…。
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お嬢さん
三島 由紀夫
角川書店(角川グループパブリッシング)

あなたはお嬢さんだわ。本当に困ったお嬢さん。私の妹だったら、お尻にお灸をすえてやるわ。


大手企業重役の娘・藤沢かすみは20歳の女子大生、健全で幸福な家庭のお嬢さま。
父の部下であるプレイボーイの沢井景一に興味を持ったかすみは、自分に「何一つ隠しごとをしないこと」を条件に景一と結婚するが、景一の元彼女・浅子が押しかけてきたのをきっかけに彼の浮気を疑いはじめ…。

角川文庫のこの表紙のシリーズは、三島由紀夫作品の中でもエンタメ寄りのものを文庫化しているみたいだけど、これも例に漏れず。
かすみの景一に対する疑いが妄想であることは読者には自明なので、どんどん暴走するかすみの妄想(本人はいたって深刻)に「おいおいw」とつっこまずにはいられない。
自分が生まれ育った平凡な幸福を軽蔑し不幸にある種の憧れを抱いているかすみはちょっと面倒な女の子ではあるし、そんな彼女が最終的に「平凡で幸福な家庭の若奥さま」に収まるところはちょっとした皮肉でもあるような気はするんだけど、エンターテイメント作品らしくめでたしめでたしのハッピーエンドで、楽しく読んだ。
(でもこれ、小説だから景一は潔白でハッピーエンドだったけど、現実だったら絶対、実際浮気してる→泥沼、のコースだと思うw)
「恋なんかじゃない」と冷めたふりをしながらどんどん景一に惹かれていく付き合いはじめとか、景一の元カノに諭されてあっさり立ち直っちゃうラストとか、かすみちゃんちょろかわいい。

大手企業重役の娘でモダンな女の子であるかすみと、旧華族で本物の優雅を身につけた令嬢である『春の雪』の聡子がほぼ同年代だと思うと、同じ「お嬢さま」でも時代の違いというかなんというか、すごい隔たりだなあw
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満願

万灯の前で、私はいま、裁きを待っている。


米澤穂信のミステリ短編集。
連作ではなく、それぞれ独立した6編だけれども、作品の底に流れる空気は同じで、一冊の単行本としても綺麗にまとまっているな、という印象。
2編を読んだところで、「あれ…もしかしなくても、この短篇集、ぜんぶ後味悪い系…?」ってやっと気づいたよね。
米澤作品って青春要素のオブラートがなければたいていあんまり後味良くなかった!そうだった!
理路整然とした展開にうっとりすると同時に、強い情念と、それを遂げるための冷静さと非情さを併せ持つ人間の在り方にぞっとさせられる一冊。


 
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うちの執事が言うことには
変わり者の父の突然の引退声明によって、18歳にして名門・烏丸家の跡目をを継ぐことになった花穎。
不安ながらも、誰より信頼する老執事・鳳と一緒にいられると期待を胸に留学先から帰国した花穎だったが、彼を迎えたのは新たに執事に任じられたという見知らぬ青年・衣更月で…。

高里椎奈作品を読むのは、リアルタイムで薬屋探偵妖綺談を追いかけていたころ以来なので(「怪奇譚」の方は未読)かなり久しぶり。

人は死なないミステリーだけど、いわゆる日常の謎かというとそうでもなく、作中で起こるのは窃盗、傷害、誘拐なので立派な犯罪ではある。
ただ、上流階級の中で起こる事件で、結局警察沙汰になるでもなく内輪で片づけられてしまうので「犯罪」感は薄いというか、主人公にとってはある意味日常の範疇…?
浮世離れした上流階級でのドタバタとはいえ、その動機でガチの誘拐はちょっとやりすぎじゃあ…とちょっと冷めてしまったところもあるけども。上流階級こわい。

ミステリーというよりは、鳳のことが大好きな新米主人と鳳のことが大好きな新米執事、未熟なところのある二人が謎解きを通じて反発しながらも成長し歩み寄っていくさまを微笑ましく見守るお話として読んだ。
スーパー執事の鳳さん(現在は家令)がとにかくモテモテだけどこれは仕方ない!鳳さん素敵だから仕方ない!
それにしても鳳さん絡みで素が出たときの衣更月には笑ってしまう。一見堅物執事だけど鳳さんへの愛が重いよ…!
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陰陽師 醍醐ノ巻
またしても感想を書き溜めてしまった…(5/3投稿)
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天人五衰―豊饒の海・第四巻
またしても感想を書き溜めてしまった…(5/3投稿)
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