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読んだ本の記録、感想、時々妄想
実は本なんか読まなくても全然平気で生きていけます
ふむふむ おしえて、お仕事!
またしても感想を書き溜めてしまった…
やっぱり読んですぐに書かないとだめですね…(7/12投稿)
本:三浦しをん | - | tsukigasem
お友だちからお願いします
三浦 しをん
大和書房
コメント:お友だちからお願いします

夏に発売した、三浦しをん久々のエッセイ集。
発売してすぐに購入したんだけども、ちまちま読み進めていたらもう年の瀬だ…どういうことなの…。

雑誌や新聞に掲載されたエッセイが中心で、冒頭で著者本人がおっしゃっている通り「よそゆき仕様」…つまり、あまりはっちゃけていない。
普段のエッセイ集のノリを期待するとちょっと物足りない感があるが、日経新聞夕刊に掲載されていたエッセイを当時リアルタイムに読んでいた自分は「あれはいつ単行本に収録されるのかな〜」と心待ちにしていたので、今回やっと収録されて嬉しい限り。
いや、だって、ご想像下さいよ!
「愛の地下鉄劇場」(地下鉄の中で若い男子がこれまた若い男子に告白しているシーンに、三浦しをんの友人が出くわしたというエピソード)が日経新聞に掲載されたときのこの恐ろしいまでの場違い感!そしてその場違い感がかえってスパイスとなり私のテンションを高める!
あの夕方(掲載誌が夕刊だからね)のことはなぜか鮮明に覚えている…。
…なんだろう、「BLジャンルでない作品を読んでたら思いがけず同性愛的エピソードが登場した」みたいなノリに近かったのかなあれ…。
本:三浦しをん | - | tsukigasem
あやつられ文楽鑑賞

三浦しをんの、文楽に対する愛と情熱と煩悩が溢れたエッセイ。

文楽の世界を舞台にした小説『仏果を得ず』と同時期に発売されており、合わせて読むのが正解なのだろう。私は『仏果を得ず』の方は単行本で読んでいたものの、こちらは当時なんとなくスルーしてしまったんだよなあ。文庫化を機に読んでみたらこれがやっぱり面白い。

内容は、著者が観劇を楽しむ様子が(いつものエッセイのノリで)面白おかしくつづられているパートもあれば、太夫・三味線・人形遣いへのインタビューや、歌舞伎・落語など文楽に関係する芸能への寄り道もあり、『仮名手本忠臣蔵』や『女殺油地獄』といった作品については、作品の解釈や人形劇という芸能の性質についてかなり鋭く踏み込んで考察している。自分は文楽についてまったく素人だけれども、なかなかバラエティに富んだ内容ではないかと思う。
着眼点が鋭いのはもちろんだけど、文楽をまったく知らない人にも「もしかして文楽って面白いのかしら?」と思わせるのは、著者が文楽にどれほど愛と情熱を注いでいるかが、軽妙な語り口で臨場感をもって伝わってくるのも大きいだろう。深い考察も愛ゆえである。



普段のエッセイではおたく全開で妄想炸裂させていたりしても、三浦しをんってやっぱり鋭い感性を持ち合わせたすごい作家さんなのだなあ…!と思いつつ、楽屋見学に訪れた章で

男性が男性の着替えを手伝うさまというのを生まれてはじめて目の当たりにし、はっきり言ってかなり胸がときめいた。

などと言っているのを見ると、「ああ…しをんちゃんは今日も平常運転や…」と妙に安心するのだった。

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舟を編む

辞書は、言葉の海を渡る舟だ。
ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがるちいさな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう。

玄武書房、辞書編集部。
辞書作りのセンスはあるが人間関係に不器用な馬締光也を中心に、日本語研究に情熱と生涯を捧げる老学者、ベテラン編集者、徐々に辞書に愛着を持ち始めるチャラ男な同僚…彼らは新たな辞書『大渡海』の企画を立ち上げるが、問題は山積み。果たして、海を渡るにふさわしい舟は編み上がるのか。
辞書作りに奮闘する人々と、言葉の力を描いた長編小説。

陸上、文楽、林業ときて今回は辞書編集。
三浦しをんの職業小説シリーズ(?)は、大きなハズレが無いので安心して楽しめるなー。
言葉の力というのは、実は『風が強く吹いている』でもひとつのテーマになっていて、感情と衝動のままに生きていた主人公の走くんが、仲間たちのあいだで思いを言葉にするということを学んで精神的に強くなっていく…というお話でもあったんだけど、今回はその言葉の力をストレートに描いている。

思いを言葉にかえる力。自分のなかの迷いや怒りや恐れを、冷静に分析する目。
(中略)
俺に欠けていたのは、言葉だ。もやもやを、もやもやしたまま放っておくばかりだった。でも、これからはそれじゃあだめだ。藤岡のように、いや、藤岡よりも速くなる。そのためには、走る自分を知らなければ。
それがきっと、清瀬の言う強さだ。
(『風が強く吹いている』)


なにかを生みだすためには、言葉がいる。岸辺はふと、はるか昔に地球上を覆っていたという、生命が誕生するまえの海を想像した。混沌とし、ただ蠢くばかりだった濃厚な液体を。ひとのなかにも、同じような海がある。そこに言葉という落雷があってはじめて、すべては生まれてくる。愛も、心も。言葉によって象られ、昏い海から浮かびあがってくる。
(『舟を編む』)

物語の中心人物となるのは馬締だが、パートごとに視点人物は変わる。
個人的には、西岡パートがお気に入り。一見チャラくて軽薄で、何事もそつなくそれなりにこなせる代わりに何事にも夢中になったことのない西岡が、辞書作りに対して執念ともいえる情熱を持った馬締に対してコンプレックスを抱きつつ、辞書編集部にも馬締にも愛着を抱き始めて、彼なりにさり気なく献身しちゃったりするその様にニヤニヤする…!おじさん同士の暑苦しい絆上等やで岸辺ちゃん!


表紙は、本屋さんで見かけたときから「辞書編集者が主人公の話だから辞書っぽい雰囲気の表紙なのかな?」とは思ってたけど、読み終わってから改めて装丁見直すと感慨深い…。
それとイラストが雲田はるこさんなのはグッジョブ!!と言わざるを得ない。できることなら雑誌掲載時の挿絵をすべて本編内に収録してほしかったー。

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桃色トワイライト
桃色トワイライト (新潮文庫)
桃色トワイライト (新潮文庫)
三浦しをん
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まほろ駅前番外地
まほろ駅前番外地
まほろ駅前番外地
三浦しをん

『まほろ駅前多田便利軒』続編。

前作で登場した星良一、曽根田のばあちゃん、由良公、岡老人の細君を主人公とした短編を含む外伝的内容。なじみのキャラクターたちの日常を描いた短編なので、前作のファンなら安心して楽しめる。
ラストの短編が、さらなる続編を予感させるような内容で、シリーズ化に期待だ。
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風が強く吹いている
風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)
風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)
三浦しをん

映画公開を控えて文庫化。
何回も読んでるけどとりあえず買ってまた読む。


番外
風が強く吹いている 1 (ヤングジャンプコミックス)
風が強く吹いている 1 (ヤングジャンプコミックス)
三浦しをん,海野そら太

コミカライズは、原作とは雰囲気や物語の重点が異なるけど、逆に原作ではそれほど書き込まれていないライバル校の東体大がかなりフィーチャーされてて良い感じ。松っつんとか古賀とか原作には登場しないキャラクターなんだけど、こんな先輩がいるなら東体大の陸上部も楽しそう。良かったね、榊。(笑)
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星間商事株式会社社史編纂室
星間商事株式会社社史編纂室
星間商事株式会社社史編纂室
三浦しをん

川田幸代。29歳。会社員。腐女子。(自称したことはない)

この帯(というか主人公のステータス)にギクッとした人にはぜったいに面白いと思う(笑)。
もちろん、オタク以外の人でも楽しめる内容。

『となりの801ちゃん』を筆頭に、最近では腐女子をテーマにした作品が多いけども、801ちゃんなんかが彼氏側からみた一種の腐女子萌えだったりオタップルの自虐ネタだったりするのに比べて、『星間商事〜』は女子視点で描かれるせいかリアルにしょっぱい腐女子ネタが多い印象(笑)。

とはいえ、内輪ウケを狙った腐女子ネタが中心というわけではないので、そのあたりオタクでない人は「こんな世界もあるんだな」という程度に読んでおけば物語の進行上差し支えはないだろう。(たぶん)
本筋は、主人公属する社史編纂室(左遷された社員の行き着く先)が自社の歴史を調べるうちに、社の隠された過去を見つけてしまって…というもの。ただしシリアスな展開になるでもなく、会社が妨害してくるなら何が何でも調べて明るみに出してやろうぜ!と社編が一致団結してしまうという痛快な展開。事前にあらすじを聞いて、なんだか地味なお話だなあと思ってしまい、むしろ腐女子ネタメインくらいのつもりで読み始めたら、予想以上にこの本筋が盛り上がって面白い!
社会人ならもっとこう葛藤とかしがらみとか色々あるんじゃない?とか思わなくもないけど、まあそういうのは他の社会派作家が書いてるからあえてこの作品で書くようなものでもないのだろう。

望んで出世コースを外れた主人公が同期やバリバリ働く社員に抱いてしまう引け目、結婚していく友人に対する複雑な心境、同人誌の人気にまつわるプライドと優越感等々、身に沁みる話題が多すぎた…。
また、ここ最近の三浦しをんの職業小説シリーズ(?)では、男主人公であるせいか、少年漫画的なまっすぐな恋が描かれることが多かったけど、むしろこういうちょっと変な恋愛の方がしをんちゃんの持ち味が出ていて好きだな、と思う。
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神去なあなあ日常
神去なあなあ日常
神去なあなあ日常
三浦しをん

林業っておもしれ〜!

と、大きく帯にあるのだが、まさにそういう内容。

高校を卒業したらフリーターでもしながら適当にぶらぶらしようと思っていた都会育ちの主人公。
ところが、ひょんなことから三重県の山奥で林業研修を受ける羽目になってしまう。
はじめは嫌々だったものの、いつしか林業の面白さに目覚め始める…という展開。

三浦しをんはエッセイ『シュミじゃないんだ』で「BL漫画・BL小説というジャンルは、一種の職業漫画・職業小説でもあるな、と思ってきた」と言っていたけれども、最近の彼女自身の作品もそういう傾向があるなあと思ったり。
いや、BLってことじゃなくて(笑)。
『風が強く吹いている』が陸上、『仏果を得ず』が文楽、で、『神去なあなあ日常』が林業。
それぞれ念入りに取材や資料集めを重ねて、その世界で生きる若者を主人公にした作品だ。
これらの作品を読んだ感触としては、大きな山場がない、というのが特徴のひとつだという気がする。盛り上がりにかけてつまらない、という意味ではない。
もちろん物語を作る上である程度の山場は用意してある。ただ、それを乗り越えたからといって「その後末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」というわけにはいかない。主人公たちにとってそれは一生をかけて極めていくものであり、彼らはその途上、あるいはほんの入り口に立ったばかりだからである。(『風が〜』は走ることをテーマにしつつ、箱根駅伝という山場があったので多少趣が違うけども。)
だから、読み終えた後も、彼らはまだまだこれからも苦労したり壁にぶつかったりしながらその世界で生きているんだろうな、という気持ちがする。そういう意味で、作中で描かれる山場というのは彼らの人生の山場のほんのひとつに過ぎないのだ。

主人公の勇気は素直でまっすぐな性格で、そんな彼の目を通して描かれる林業の在り方、面白さ、苦労は読んでいて非常に好ましく心地良い。
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まほろ駅前多田便利軒
まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
三浦しをん

再読。

文庫化を機に読み返したくなって、本棚から単行本を引っ張り出して読みかけたものの、やっぱり電車の中では読みづらかったので結局文庫本を買って読んでいるという…あれ、なんかおかしい…。文庫書下ろしもないのに同じ内容の本を2冊も買ってしまうなんて!

東京郊外のまほろ市で便利屋を営む多田のもとに、高校時代の同級生で変人の行天が転がり込んで…という内容で作者が三浦しをんって、それなんてBL?
いや、BLではない。山田ユギが絶賛コミカライズ中でも断じてBLではない。
これだけお膳立てされていてBLじゃないのが不思議なくらいだがとにかくBLではない。
直木賞受賞作である。
便利屋に依頼が舞い込んでそれを解決するドタバタ人情劇、というのはなんとなくあらすじから想像のつくところで、そういう意味では、直木賞受賞作という肩書きのわりにストーリー自体は無難なつくり。

再生を描いた物語、ということで、あらためて読み返していて思ったのが『風が強く吹いている』にすごく通じるものがあるなあ、ということ。こちらの方が先だけど。
本作でも、『風が〜』でも、作中のある人物にこんな台詞がある。「俺は知りたいんだ」、と。
彼らは過去に大切なものを失ったり、二度と取り返しのつかないことを抱えていたりするが、それでもその問題と向き合い続ける。
「再生」とは真摯に問いつづけること、求め続けることで訪れる、と三浦しをんは強く繰り返す。


多田のベッドサイドにひっそりとしゃがみこんでいる無害な妖怪のような行天、というシチュエーションが好きすぎて、文庫を読みながら、「ああ、この一文は単行本では左ページ後半に書いてあったな」とか思い出してしまった。笑
なぜか、文章がページのどのあたりに配置してあった、というのをけっこう記憶しています。
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